新しい年を迎えました。 本年も宜しくお願いいたします。
昨年末、義理の母が他界致しました。
私の胸の内に、なんとも言えない焦燥感がやって来ました。
義母の最後の言葉(しっかりとした会話)は、「久美ちゃんお誕生日おめでとう。
久美ちゃんは、この頃、元気になったね。良かった、良かった……。でもね、無理するんじゃないよ。体は大事にするんだよ。」
私の手を力強く握り、暫く手を離そうとしませんでした。
たぶん義母は、お別れがわかっていたのかもしれません。
亡くなる一週間前の出来事でした。
義母は、フレンドリーな楽しい女性でした。
おおらかで、たまに私の辛い胸の内をお話しすると、『大丈夫、大丈夫、きっとうまくいくよ。』と、励ましてくれました。
義母との思い出は、後から後から溢れてきます。
…今から14年位前、ゆりの森を、立ち上げる少し前の出来事でした。
二人で、庭の大きな鉢の中で咲いている綺麗な百合を見ながらお茶を飲んでおりました。
「あの百合、久美ちゃんが植えてくれたんだね。ありがとう。」
「えっ? お母さんが植えたんじゃないの?…私はお母さんが植えてくれたんだとばかり思っていたのよ!」・・・・??
二人はその後…狐に騙されたような顔で、無言になってしまいました。
その後…新しいサロンのビジョンと、サロン名は【ゆりの森】にすることを語りました。
義母は、私の話に、しっかり耳を傾けてくれました。
特に私の話の中で、何故、サロン名が【ゆりの森】なのか…その事に心が動いたようで、涙を流しながら聞いてくれました。
その内容を簡単に御紹介します。
実は私の父は材木屋を営んでおりました。冬になると木を買いに歩きます。
そして、その木を、春の芽吹きがふく前に、残雪がまだあるときに伐採します。
父は伐採の時に、他の木を傷つけずに、見事に倒します。伐採の名人でした。
また、父は百合の花が大好きで、伐採後の山に百合の花を植えては満足な顔をしていたものです。
ある時、私は父に訪ねました。「ねぇ、何で百合を植えるの?」…父は答えました。
「百合はね、山で切った木を慰めてくれるんだよ。そして、百合は大好きな花なんだ。」
幼い私にとって、とても印象深い話でした。
その話を以前、実の母にすると、「父は百合の花が大好きだから、女の子が生まれたら、百合子と命名する予定だったんだけど、いざ待望の女の子が生まれて、百合子と命名する決意で役所に行ったら、何故だか、久美子と命名して帰ってきたしまった」と。
そのエピソードは衝撃的でした。
そして、この話を義母にしたら
「そうなんだ…【ゆりの森】それは、久美ちゃんのお父さんが願っている、サロンの名前だね。お父さんが久美ちゃんを想って命名したいと天国で想っているんだね。頑張ってね」と、言ってくれました。
振り返ると、亡き二人の親から励ましてもらった【サロンゆりの森】
葬儀場で、花嫁衣装でお別れしていく義理の母。棺の傍らで、主人の涙を、義理の妹の涙をみつめながら、お別れの切なさを見届けていた私に、フラッシュバックのように思い出がよみがえってきます。
義母の顔の傍らに、そっと百合を手向けました。
「お母さんありがとうございます。天国で私達を見守っていてくださいね。」
2017年は、どんな年になるでしょう。
しかし、私達がその与えられた年を創造していきます。そう思ったら他人事ではありませんね。
私は、この体験から、亡き二人の親から頂いたメッセージを土台に、心から励んでいこうと思います。
今ここに、13年前に主人が一生懸命に作ってくれた【ゆりの森】のパンフレットがあります。
…想い… そのページは、私の想いを綴ってくれたのです。
今、私はそのページをみていますが、見ながら涙が止まりません。
主人が心から私の想いを感じて表現してくれたパンフレット。
私の想いを受け取ってもらって、支えてもらって今がある。
そして、今更ながら思います。……
私はどれだけの人々に支えて頂いているのでしょう。
パンフレットには、 ゆりの森=森羅万象 百に合う=百合 とあります。
その意味をどうぞ受け取って頂き、皆様と、更に本年も素敵な美しい百合の花を咲かせたい……
そう願っております。
亡き親から頂いた想いを胸に……
合掌
